その場所に宿るものを
感情のかたちへ
すべての場所には
言葉だけでは語りきれない感覚がある
それは壁を横切る光に
空間を通り抜ける風に
水の音に
そして静かに流れる時間のリズムに宿っている
見えているものを撮るのではない
その場所でしか感じられないものを読み取る
人が記憶するのは
そこがどう見えたかだけではなく
そこで何を感じたかだから
場所が記憶になる前に
そこにはひとつの瞬間がある
ある光
通り過ぎる風
遠くの音
その場所だけの時間
その瞬間は再現できない
ただ気づき
感じ取り残すことができる
私たちが探しているのはそこにあるもの
時間は目には見えない
だからこそ感じ取る
すべての場所には呼吸がある
その場所が語り始める瞬間を待つ
光が空間をつくり
影がその奥行きを生む
静けさにも声がある
その声に耳を澄ます
残るのはいつも見えたものではない
そこで感じたものが残る
その瞬間を待つ